2014/05/09

艦これ春イベント終了のついでに振り返ってみる記事


航空戦艦の時代

やっぱりゲージ回復なんていらん子だった


艦これもとい艦隊これくしょんとは、近代の艦船を女の子に擬人化した艦娘たちを集めて、資源を貯め、それを元手に戦うシミュレーションゲームだ。
そのゲームの期間限定のイベント海域を先日ゆるゆるとプレイしてクリアした。 



開始時点の資源は鉄の方が8万と有り余ってたものの、油は2万のみという偏りっぷりだったので、途中で資源確保のインターバルを挟んだのがゆるゆるの原因だった。 それでも、ちゃんと艦隊レベルや装備が規定ラインに達してれば十分クリアできるので、ゲームとして十分満足できるイベントだったと言える。



 
去年の11月を思い出す。秋イベントと言われたかのイベントは阿鼻叫喚の四字熟語がそこかしこで噴出していた。どえれー騒ぎになったもんである。

艦これイベントについての感想 - Togetter
http://togetter.com/li/590386




そもそも、クリアできるはずなのにクリア出来ない仕様にしてしまったゲージ回復のシステム自体があり得なかった。さんざん言われてる事であるが、本来、プレイヤーが可能であるはずの事を、システム側で不可能へとねじ曲げてしまう行為を「難易度調節」とは呼ばない。ただ単に「理不尽」なだけだ。


艦これは基本的に準備以外は全てサイコロ任せの運頼みであり、このようなゲームデザイン上、プレイヤーに底が割れないようシステムに関わる情報を隠匿する性質がある。マスクデータがかなり多い。

なので、公開されない(あるいはできない)情報でプレイ進行を阻害されると、それだけでストレスが積み重なる。失敗した理由がわかるなら、反省の上で改善すればいいだけだ。しかし、原因がわからないのに、ただ「不可」を何度も突きつけられると人間は発狂する。

その最たる例が、秋イベントの夜戦マップとボス前の羅針盤だった。どれだけ準備して試行を繰り返しても、失敗するのに、肝心の原因がさっぱりわからないのだから、怒りのボルテージ上がって当然である。

この感情に対して、「資源たっぷり用意して繰り返せばいいのに」という反論は通用しない。変化も改善の兆しも見えない行為を繰り返しても楽しくないから怒ってるのである。確かに、やってればいつかクリアできるが、その単純作業が楽しいという事とは話が違う。サルを破壊する実験じゃあるまいし。

しかも、この上さらに今までの試行が全て無駄になるゲージ回復が加われば、提督を殺すだけの機械と言われても仕方ない。

(`ェ´)ピャー
だが逆に言えば、これさえなければ普通にプレイ出来るという事でもある。
秋イベントで怒ってた提督は、だいたいがE4の夜戦で青筋を立てていた。そういう所まで行ける提督というのは、必然ある程度の期間ゲームをプレイして、艦娘を育ててる人だ。つまり、普通の艦これは好きでプレイしている人なわけで、じゃあイベントに関しても捻った事せずに普通にしてれば、そうそう文句なんて出ない。
  

「難しくしないとやり甲斐が無い! 」なんて声もあるかもしれないが、はっきり言って艦これにやり甲斐なんて求めるのはお門違いである。片手間でできるのが売りのゲームにガッツリやり甲斐求めたら歪むに決まってる。ハッキリとわかる基準点にまで到達したら、スッと進める。そのくらいで丁度いい。本来そういうゲームのはずだ。


今回のイベントはゲージ回復が無いおかげで各々のペースでプレイが出来たし、さらに仕様変更による索敵機での昼戦連撃、ボスマス自動移動など、ストレスがかなり減った感じだ。

イベント開始と同時に索敵機によるルール拡張という、かなり博打な運営の決断は結果的に成功に終わったように思う。 イベント中でも昼戦連撃の爽快感が結構あって、装備の付け方にも試行錯誤に楽しさが加わった。こういうのでいいんだよこういうので!


クリア報酬にしても新種艦の明石がすぐ手に入るE2報酬というのも良い。これがもしE4やE5だったらどいうなっていたかわからない。駒としての希少価値が高い艦娘を高難度海域クリア報酬にすると、ヘビーユーザーとライトユーザーとの戦略差が開く危険性がある。

というか艦隊「これくしょん」なので、手に入らない艦娘がいるという事はそれだけでストレス足りえる。今回の高難度海域のプレゼントは重要性の薄い駆逐艦と軽巡だったが、正直、クリア報酬は艦娘じゃない方がいいとすら思っている。流石にそこまですると、モチベーションが上がらないという人も多いと思うが、自分としては家具とかそういうのが良い。でも、次回のイベントあたりで信濃とかが高難度報酬になりそうな気がして怖い。 


イベントは「あーまぁ出来るかなぁポチポチ」か「あーこりゃ無理だなぁポチポチ」の二者がゆる~くプレイできるようなものが無難であると秋と春を比べて実感した。気合入れてボタン押そうが鼻ほじりながらボタン押そうが結果は同じなのである。

所謂、廃人提督の要望に応える必要はあまり無い。というかこういう人は艦これという「習慣」を愛してる人だと思うので、特別な事をしなくても普通に応援してくれる人ではなかろうか。むしろ、廃人とそうでない人の隔絶を大きくするような仕様は極力避けた方がいい。

SNSの緩い繋がりを前提したゲームだから、尚更だ。緩い繋がりはほんの少しの綻びですぐ崩壊すると秋で散々思い知らされた。



谷風訪ねて三千海里

艦これは、少し目を離す内に環境がかなり変化する。産廃とか言われてた艦種や装備がアプデ一つでガラリと逆転する。ゲームとしてはとっくに限界が来てるので、ちょこちょこ細部を弄って手を変え品を変えとやっているのが現状だ。

悪い言い方をすれば騙し騙しである。純粋にゲームとして楽しんでる人はもうあんまりいないんじゃないか。惰性とコンテンツ力で何とか繋いでいると思うし、角川側もそれを理解してるから、VITAとかアニメとかコミカライズやノベライズに早くも手を出してるのだろうが。

だからこそ、ここまで綱渡りのコンテンツというのも逆に面白い。今は送り手と受け手双方に何とかブームを軌道に乗せようとする頑張りが見える。今後が大いに楽しみで仕方ない。